おいしさを包む食品対応パッケージ
ハービル加工は、紙パッケージに耐水性・耐油性を持たせるための特殊な表面加工技術です。
特に食品に使用する一次包装においては、水分や油分が原因でパッケージが劣化したり、見た目や衛生面に影響が出たりすることがあるため、そうした課題を解決する手法として注目されています。
一般的には、耐性を持たせるためにPPフィルムを貼る方法もありますが、この方法ではプラスチック素材が混在するため、廃棄やリサイクルの工程で環境負荷が発生してしまうという問題もあります。
その点、ハービル加工は水性のニスを使用し、印刷後にしっかりと乾燥させることで、紙そのものに耐水・耐油の性能を持たせることができるため、素材は紙100%のまま。
リサイクルの妨げにならず、環境配慮型パッケージとしても安心して採用いただける仕様です。
- 業界 エンタメ業界
- 用途 食品一次包装
- 仕上げ オフセット印刷+ハービル加工+抜き加工
- 材質 NEWピジョン
- 形状 変形ワンタッチ箱
- 参考納期 2週間
お客様からは、「食品の一次包装として使用できる、油や水に強いパッケージ加工はないか?」というご相談をいただきました。
特に今回は、油分の多い食品を直接パッケージに入れる想定とのことで、油染みで紙がよれたり、破けたりしないかという点を非常に気にされていました。
また、食品用途ということで、衛生面への配慮も非常に重要視されており、「製造工程で異物の混入や、血液汚れのような付着があっては困るのだけど、対応は可能だろうか?」といったご不安も共有いただきました。
食品と直接触れる一次包装である以上、加工性能だけでなく、製造環境の清潔さや安全性までを含めた信頼性が求められている案件でした。
こうしたご相談に対して、私たちからは「ハービル加工による紙パッケージ」をご提案しました。
ハービル加工は、水性ニスを用いた印刷後にしっかりと乾燥させる工程を経ることで、紙に耐水・耐油性を付与する技術で、揚げ物のような油分の多い食品にも十分対応可能です。乾燥後はニオイもほとんど残らず、食品の風味を損なう心配もありません。
また、同じような用途でよく使用されるPPフィルムラミネートの加工もご紹介しましたが、こちらは優れた耐久性を持つ一方で、プラスチック素材を使用するため、廃棄や環境面での配慮が必要になることをご説明しました。
その点、ハービル加工は紙素材だけで構成されるため、リサイクルもスムーズに行えるというメリットがあります。
さらに、製造工程においては、エアシャワー付きのクリーンブース内で印刷・加工を行っており、異物混入のリスクを最小限に抑えた衛生的な製造体制を整えています。
これにより、食品用途にも安心してご採用いただける品質を実現しています。
耐性・環境対応・衛生面、いずれの面でも高い基準を満たすパッケージとして、安心してお使いいただけるご提案となりました。