G段に違いってあるの?
G段印刷といっても材質に違いがあるのをご存じでしょうか。
段ボールといえば一見どれも同じに見えますが、実際には表面材質の違いによって印刷の仕上がりや質感は大きく変わります。
弊社で扱う代表的なG段の材質は次の3種類です。
- C5(茶色クラフト)
- 白C5(晒しクラフト)
- コート白(コートボール)
ここからは、それぞれの特徴や印刷適性を具体的に解説していきます。
1.C5(茶色クラフト)
最もポピュラーで「段ボール」と聞いて真っ先にイメージされるのがこのC5です。
表面は茶色で素朴な風合いがあり、強度とコストのバランスにも優れています。
印刷特性
C5には直接CMYKのみで印刷するケースはあまり多くありません。
一般的には 白インクを敷いた上にCMYK を重ねる、または 特色 を使ううまいこと活用した印刷方法が多用されます。
その結果、クラフト感を活かしながら発色を調整でき、ナチュラルで環境配慮型のイメージを打ち出せます。
適した用途
- オーガニック食品のパッケージ
- サステナブル志向の商品
- 「素朴さ」「温かみ」を重視するブランド
2.白C5(晒しクラフト)
白C5は「晒しクラフト紙」を使った表面材質です。
見た目は白ですが、ノーコート系の紙なのでインクが沈み込みやすいのが特徴。
印刷特性
一見すると「発色が弱いのでは?」と思われがちですが、実はこの沈み込みによって得られる独特の風合いが好まれています。
質感はややザラつきがあり、クラフトの段目がうっすら見えることも。これが「紙らしさ」を際立たせ、エシカルな印象を演出する要素になります。
弊社の H-UVオフセット印刷機 を用いれば、白C5のような吸収の強い紙でも色の再現性を高め、細かな表現まできれいに仕上げることが可能です。
適した用途
- 雑貨やコスメなどのナチュラル志向商品
- サステナブルを前面に打ち出すブランド
- 質感をデザインに組み込みたい”パッケージ
3.コート白(コートボール)
コート白は、表面にコーティングが施されているため、発色やツヤ感をしっかりと出せる材質です。
色の沈み込みが少なく、写真やグラデーションのような複雑な表現も鮮やかに再現できます。
専門的に言えば「コートボールを合紙したもの」ですが、要は発色が安定していて汎用性が高い、ということです。
適した用途
- 洋菓子や飲料などの食品全般
- 高級感を打ち出したいギフト用パッケージ
- ブランドカラーを前面に表現したい商品
「白C5」と「コート白」の比較
同じ「白系」の紙でも、近づいてみると大きな差があります。

上が「コート白」で下が「白C5」になります。
「コート白」の方がもちろんつやがあり、「白C5」の方がザラザラした質感になりますね。「白C5」のカラーバーをよく見ると段ボールの段目と呼ばれるナミナミが見えることが分かりますか?
この感じも「白C5」の特徴になります。この段目をうまいこと使用してエシカルな質感を出すのもいいですね。
次は角度を変えて光に反射しないように見てみましょう。

画像を拡大すると同じカラーバーのはずなのに多少見え方が違うのがお判りでしょうか?
上の「コート白」の方がインクがきれいに乗っていて、下の「白C5」の方はベタなのに少し紙の地の部分が見えていますね。これがまた奥深く、今回の画像は単色での比較になりましたが、4Cフルカラーがごちゃ混ぜになった写真のようなものを印刷するとまた面白い見え方になります。
オフセットならではのグラデーションももちろん得意です。
組み合わせによる自由度
G段の魅力は、表と裏で異なる材質を組み合わせられる点にもあります。
- コート白 × 白C5
- コート白 × C5
- 白C5 × C5
などのバリエーションを作れば、表情の幅はさらに広がります。
「外側は鮮やかに、内側はクラフトで素朴に」といったアプローチも可能で、ブランドや商品の個性をより強調できます。
まとめ|材質選びがパッケージの価値を決める
パッケージは商品の単なる入れ物ではなく、“ブランドの顔”です。
材質によるインクの見え方や質感の差を理解し、目的に応じて選択することで、消費者に与える印象は大きく変わります。
そして―― G段に直接印刷できるのは弊社の強み。
コスト面とデザイン性、さらには環境配慮まで考慮したパッケージ提案が可能です。
「どの材質が自社商品に最適か知りたい」「実際の質感を比較してみたい」など、ご興味があればぜひお気軽にお問い合わせください。